東京高等裁判所 昭和27年(ネ)1297号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
(事實と判斷)本件で問題となつているのは、仮登記仮処分命令が発せられた当時、仮登記義務者が既に死亡していた場合、その仮登記の効力如何ということである。本件判決は原審と同様右仮登記は有効であると判断している。
「昭和六年十一月十一日被控訴人が本件土地につき仮処分命令を得た当時、仮処分命令上登記義務者とせられた訴外長田覚太郞が既に死亡し訴外長田覚太郞が家督相続をなしていたことは当事者間に争のない事実である。しかし仮処分命令による仮登記は、仮登記権利者の申請による裁判所の命令に基き裁判所が登記所に嘱託してこれを行うもので、その間何等登記義務者の行為を必要とするものでないから、仮登記仮処分命令に登記義務者として表示せられた者が既に死亡していたということで、その仮処分命令及びこれに基く仮登記の効力を妨げられることがない。故に本件の場合に既に死亡した訴外長田覚太郞を登記義務者と表示してなされた本件仮処分命令による仮登記が無効のものであるとする控訴人の主張は理由がない。」